「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」に登場するバイク
ダニエル・クレイグがジェームズ・ボンドを演じた最後の作品となる本作では、イギリスの名門モーターサイクルブランドであるトライアンフが公式パートナーとして全面協力を果たしています。
劇中でボンドの過酷なミッションを支えるために抜擢されたのは、スクランブラー1200とタイガー900という、タフで高性能な2台のバイクです。 スクランブラーとは、舗装されていない悪路でも走れるように設計されたスタイルのことで、荒々しいアクションシーンにはまさにうってつけの存在と言えるでしょう。
これらの車体は、激しい走りに耐えられるよう、特別なチューニングが施された上で撮影現場へと持ち込まれました。 洗練された英国の伝統的なデザインと最新技術が融合したトライアンフの走りは、スパイ映画の世界観に美しく溶け込んでいますね。
「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」のスタントシーン
本作のバイクアクションを語る上で絶対に外せないのが、イタリアのマテーラという美しい旧市街で撮影された、石畳の広場へと飛び込む大ジャンプのシーンです。
この極めて危険なスタントを実際にこなしたのは、世界的なスタントライダーであるポール・エドモンドソンたちでした。 彼らは歴史ある建造物が並ぶ狭い路地を、猛スピードで駆け抜けるという離れ業をみごとにやってのけました。
ここで興味深い裏話として、つるつると滑りやすい石畳の上でバイクのタイヤのグリップ力を高めるために、撮影スタッフがなんと大量のコカ・コーラを地面に撒き散らして走ったというエピソードが残されています。 乾いたコーラの糖分が強力な粘着力を生み出し、あの信じられないような急旋回や大ジャンプを安全に成功させるための大きな鍵となったのだから本当に驚きですね。
実写アクションにこだわる本作の見どころ
長きにわたって愛され続けているこのシリーズの最大の見どころは、コンピューターグラフィックスに頼りすぎず、実写での本格的なアクションに強いこだわりを持っている点にあると言えるでしょう。
生身の人間が実際にバイクを操り、空高く飛び上がったり転倒したりする映像からは、作られた映像にはない本物の空気感と張り詰めた緊張感がひしひしと伝わってきます。 また、過去の作品から丁寧に積み上げてきたボンドのこころの葛藤や、愛する人を守るためにボロボロになりながらも走り続ける彼の姿には、深く胸を打たれるはずです。
ダニエル・クレイグが演じるシリーズの集大成として、ドラマチックな物語の展開と最高峰のバイクスタントが見事に絡み合っているのが本作の素晴らしいところです。 極上のエンターテインメント作品を、ぜひじっくりと味わってみてくださいね。
