『ローマの休日』のあらすじ
オードリーヘップバーンが演じるアン王女は、ヨーロッパ最古の王室で知られる亡国の王位継承者です。
彼女はヨーロッパにある各国を親善旅行で訪れ、立派に公務を果たしていました。
その行き先の1つであるローマにおいても彼女は粛々と公務をこなしていましたが、そのこころは過密なスケージュールや他国要人への気遣いでストレスがかなり溜まっている状況でした。
そのストレスのせいで夜眠れなくなった彼女は、主治医に薬をもらうも、より目が冴えてしまう結果になってしまいます。
そんな状態では眠れないと、アン王女はこっそりとローマの街へお忍びに出かけることを決意します。
夜のローマの街へ繰り出したアン王女ですが、主治医からもらって飲んだ薬が効き始めだんだんと眠くなってしまい、ついにはベンチで眠ってしまいます。
その時偶然取り掛かったのが、グレゴリー・ペックが演じるアメリカ人新聞記者のジョーでした。
彼は彼女が王族とは知らずに、自身のアパートで休ませます。
こうして2人は出会い、恋に落ち、つかのまの恋愛と自由をアン女王は楽しむのでした。
『ローマの休日』に登場するバイク
『ローマの休日』の名シーンの1つに、アン女王とジョーがスクーターでタンデムするシーンがあります。
ここで使用されているバイクはイタリアで生まれたスクーター、その名もベスパです。
このシーンが公開されたことにより、ベスパの知名度は飛躍的に向上し、多くの方がこの車種に興味を持ったと言われています。
ベスパの中でも、ローマの休日でオードリーヘップバーンが乗車したのは「フェンダーライト」という愛称で親しまれている車種です。
フェンダーライトとは正式な車名ではなく、ヘッドライトがフロントフェンダーの上に取り付けられているその様子から名づけられた、いわゆる愛称です。
このフェンダーライトが製造されたのは1946年から57年にかけてなので、映画の撮影時期や公開時期を考慮しても、このフェンダーライトが使用されていたというのは間違いないでしょう。
世界中で今も愛されるベスパ
ベスパは、今もなお世界中から愛されるバイクの1つです。
その人気の秘訣は、個性的なルックスとスタイリッシュさにあると言われています。
75年もの歴史を誇るベスパですが、時代に合わせて洗練されていきながらも初期の大事な部分は失わない、そんな軸のぶれなさが多くのライダーを惹きつけるのでしょう。
ベスパは『ローマの休日』以外にも、さまざまな映画に登場しています。
たとえばアメリカ映画の『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』やイギリス映画の『さらば青春の光』など、一度は耳にしたことはある有名なタイトルの映画の中にも登場しています。
日本では松田優作主演の『探偵物語』というテレビドラマで登場したことがあるので、気になる方は是非チェックしてみてくださいね。