『さらば青春の光』について
『さらば青春の光』は日本にこの名前のお笑いコンビがいるのでそちらをイメージしてしまう人もいると思いますが、実は映画から名前を採用しているのです。
この映画は1979年のイギリス映画で、舞台は1960年代初期のイギリスです。
そしてこの映画はその年代に実在したイギリスの若い労働者を主体にした集団の「モッズ」とロックンロールに強い影響を受けて黒の革ジャンに革パンを愛用する集団の「ロッカーズ」の対立を主軸にしたお話となっています。
この集団はバイクを愛する集団でもありバイクを愛する者たちの対立も描いているので、多くのバイクを見ることもできるのです。
あらすじ
舞台は1964年からスタートします。
主人公のジミー・クーパーは広告会社の郵便室係として勤務していたが退屈な仕事と両親に幻滅した結果、モッズに所属している仲間と好き放題の大暴れを行います。
改造スクーターでの暴走行為から覚醒剤の乱用、はたまた敵対グループのロッカーズとの抗争までいわゆる昭和の日本の暴走族をより悪化させた姿と言えば想像しやすいでしょう。
そして敵対グループのロッカーズの中には幼なじみで親友のケヴィンがいたのですが、親友も抗争に巻き込まれやがて主人公は全てを失っていくことになります。
いわゆる若者の葛藤とイギリス社会の閉塞感や窮屈さ、そして疎外感を最後には感じることになるでしょう。
どんなに強くて格好いいと思っている人達が昼間はお金を稼ぐために毛嫌いしている社会の一部に歯車として組み込まれなくてはいけないという現実がのしかかっているのです。
作中に登場するバイクについて
作中に登場するバイクは「モッズ」と「ロッカーズ」の対立も描かれているので当時のロッカーズが愛用していたバイクもたくさん登場します。
ベスパやランブレッタといったスクーター、そしてトライアンフやBSAやノートンなどに乗り回していたのですが、その姿が映画でも見て取れます。
モッズはスクーターを中心に様々なデコレーションをするスタイルでしたが、ロッカーズは何より単気筒バイクとスピードを追求するので乗っているバイクの違いから所属グループもすぐにわかるレベルでした。
まとめ
イギリスのカフェレーサーが好きな方にとってはおもいっきり刺さる映画です。
カフェレーサー好き以外にもデコレートされたスクーターに惹かれる何かがある方ならば、同時のバイクや風景や服装を知ることが出来るのでそういう意味でもおすすめできる映画と言えるでしょう。
ただし、ハッピーエンドではなくあらゆる者を失った若者を見ることになるので、色々とメンタル的に心苦しくなってしまう可能性はあります。
若者の愚行の先がどうなるのか、それを淡々と追いかける映画でもあるのです。